熱があることに気づいたら、まず正確に体温測定しましょう。
体温を1日3-4回+具合に応じて適宜-測って、メモをしておきましょう。後で、医師に見せると役に立ちます。
元気ならすぐ解熱剤を使わず、頭の後ろや横、脇の下を冷やし、水分を少しずつしっかり取らせましょう。
ひきつけたことのある子供さんで痙攣止めの坐薬の使用を勧められた方は37.5℃を超えたら、座薬を挿入しれて慌てずに受診してください。
機嫌が悪く、水分の飲みが悪い方はなるべく早めに受診しましょう。
小児では年齢別に比較的病気が決まってきます。
乳幼児(2~3才未満)ではおなかの風邪(急性胃腸炎)、食物アレルギー、夜泣き、胃腸炎などがよくみられます。
腸重積、精索捻転症、腸回転異常症など見逃してはならない病気もあり、全身状態に注意して受診して下さい。
幼少児期(3~4才)では、やはり胃腸炎がよくみられます。
学童期(7~8才)では、胃腸炎、便秘、過敏性腸炎、時に虫垂炎、潰瘍性大腸炎、アレルギー性紫斑症などがあります。
外科的治療が必要な病気を見逃さない様、放置せず受診して下さい。
脱水は、普通の風邪でも起こることがありますが、嘔吐・下痢などで出現します。
嘔吐の原因疾患としては、お腹が痛いの項目↓にある-食物アレルギー、風邪、夜泣き、腸重積、胃腸炎、精索捻転症、腸回転異常症の他、+幽門狭窄、腸狭窄、髄膜炎、その他が知られています。
嘔吐があると原疾患の治療以外に、脱水が問題になります。
脱水の原因としては急性胃腸炎による嘔吐が最も多く、嘔吐のない軽度の胃腸炎等、食思不振などが続くと口から食べ物や水分.塩分摂取が足りなくなったりするため、また、頻回かつ多量な下痢による水分喪失などでもしばしば脱水を起こします。
脱水は、全身状態を管理するうえで非常に重要です。
母乳栄養児の方では授乳・摂取量が不明なことが多いので、尿の回数・色・量、顔色、活動活発さなどを参考にします。
また時間とともに進行することがありますので経時的な観察が必要です。尿回数が日に5-6回あり、尿量も多く、尿色も薄く、顔色も普通で、体の動かし方も活発なら、強い脱水の可能性は低いと思われますが、自信を持てず、また高熱だったり御心配な場合は、早めの御受診をお勧めします。
脱水に対する治療としては、経口輸液(口からの水分摂取)が出来るかどうかが重要です。
母乳栄養児なら母乳、人工栄養児の方は乳糖分解ミルクか、イオン飲料(Na 20~70mEq/l,ブドウ糖2~7%程度)を与えて見ます、そういったミルクやイオン飲料が飲めない離乳進んでいる幼児の方では、麦茶、水、果汁の水分与え、それ以外にみそ汁・吸い物・コンソメスープなどの塩(ナトリウム)を含んだ飲み物を与えてみましょう。
こういった経口の水分摂取がゴクゴクと飲み進まない場合は受診ください。
強い脱水には静脈内点滴が必要です。//消毒→
乳児の急性下痢症の大半はウイルス感染症による胃腸炎です。
ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなど様々な原因のウイルスがあります。
冬季によくはやります。慢性下痢症の原因としては食物アレルギー大半を占めます。
お早めに受診してください。
嘔吐・脱水↑についても御参照ください。//消毒→
鼻水、鼻粘膜には吸気の温度や湿度を調節する作用があり、生態防御反応としてしばしば鼻汁鼻閉が出現します。
ところが、乳幼児の鼻には以下の特徴があります。
〇鼻腔が狭い(顔そのものが小さい)
○成人より鼻の分泌細胞の割合が高い→鼻汁が多くなる。
○鼻をかめない。
○鼻毛がない
〇特に乳児・幼弱幼児では口呼吸が上手ではなく、鼻呼吸が障害されると呼吸がし辛くな ります。
○出生時には母体臍帯血由来の多種の移行抗体がありますが、生後6か月頃から徐々に減少消失します、一方個体としての感染歴が乏しく得られた獲得免疫も種類が僅かなため、新たな種類の感冒などに次々とかかることも珍しくありません。
以上の複数要因により乳幼児では次のような鼻腔の症状が出やすくなります。
・ミルクを飲むとき苦しそう
・機嫌が悪い
・夜中に何度も目が覚める
・いびきをかく、年長児では口呼吸が多く目立つ
特に冬は寒気に加えてクリーン暖房などにより乾燥しがちになるため、粘膜が反応し鼻閉・鼻汁が増え、また同時に感染症になりやすい等の要因により、これらの症状は冬になると目立ちます、つまりその時々・その季節に応じた生活環境の調節、適切な鼻のケアや治療が大切となります。
まず室温の設定と室内を加湿することは特に冬には重要です。
冬季には暖房と共に乾燥し過ぎないように(適湿は50%前後の40~60%です、簡単な湿度計があった方がよりよいでしょう)、加湿器などを使う。 お部屋の中に洗濯物を干すだけでも、加湿効果があります。また暖かい蒸しタオルを鼻にあてたり蒸気を吸わせてあげたり、入浴中吸う湯気は鼻の粘膜を湿らせてくれます。全身状態がよい時は、湯冷めさせないように注意した上で、哺乳の前やおやすみの前に積極的に入浴してみて下さい。湿ったタオルで鼻の周囲を拭いたりするとさらに鼻汁が取れやすくなります。
他に体重が5kg以上であれば、風が穏やかな日は少し外気に触れさせてあげてください(抱っこした状態で5-10分程度で良いと思います)、しばらくすると鼻が通ってくることもあります。部屋を閉めきって、暖房を強くしていると部屋が乾燥してかえってよくないこともあります。
また鼻そのものへのアプローチとして、鼻汁吸引では専用吸引器などで鼻水を吸ったり、綿棒の先端を湿らせて顔の外側から内側鼻孔に向けて鼻内固形物を絡め捕るようにそうじすることもあり、他にこどもの鼻用のピンセットなど使うこともあります。ただし鼻水を吸引しても取れてこないこともありますので、無理をしないように気を付けましょう。鼻内固形物が奥にいってしまった場合も鼻閉がなくなれば様子を見て構いません。
<参考>
・蒸しタオルは、フェイスタオルを水を含ませて搾り、・ラップで包む/or/・ビニール袋に入れ口を開けたまま、500W40秒程度チンして取り出し【★手で温度を充分確認】し温度をさらに微調整して使用するなど
・鼻汁吸引機例
ピジョン SHUPOT ホワイト /電動で手入れが簡単
シースター メルシーポット/電動で吸引がスムース
汰思 知母時ちぼじ /手の握力で引く
子どもの慢性便秘はよくある病態です。
腹痛、排便時の下腹痛、排便に時間がかかり息みがひどい、便に血が混じる、食欲不振等の症状が出ます。
[都内の小学校では、約30%の子どもが便秘または便秘気味で、さらには便が1週間に1回しか出ないという子も10%ほどいらしゃいました。]
しかし放置するとお子様は排便が苦手になって我慢しがちで徐々に悪化しやすい病態でもあります。乳幼児ですと1か月以上排便間隔が長かったり排便困難などを繰り返す時は治療開始した方が良いかもしれません。
離乳食が進むにつれ、排便が滞りがちになるけれども体重が増える場合は、消化管に明らかな病的異状を認めない機能性便秘と考えられます。
治療
1)まず考えるべきは、栓状になった糞塊があるかどうかです、あれば普通便も通過障害を起こし流動便のみが漏れ出て便失禁おこすことがあります。栓状の糞塊がある場合は排便が困難で受診が必要になりこれを除去します。
また宿便化して腸管の形状のまま繋がって固まっている場合も移動性が悪いため除去します。また腹痛を訴える場合は浣腸します。
2)食事内容の見直し
乳児で授乳時に乳首などを離したがらない場合母乳やミルクの不足があるかもしれません。必要があればミルクの補充も考えます。
離乳が進んできたら、熟した果物・海藻・全粒粉・野菜、特に水溶性食物繊維の多い食品(昆布、わかめ、熟した果物、里いも、大麦、オーツ麦、寒天、)
他にお勧めは、たけのこ・葉物-緑黄色野菜・ごぼう・さつまいも・ふき・七分搗き米・大豆・ひじき・かんぴょう・玉ねぎ・切干大根・豆類・いも類・かぼちゃ・くり・キノコ・ヨーグルト・プルーン・納豆・にんにく・洋梨・梅干などの食材です、
★【月齢年齢の嚥下機能を考慮しサイズや柔らかさ加熱調理などを選んで】積極的に摂るようにしましょう。
2)次いで生活習慣を整える
生活指導の中で、最も考えるべきことは、規則的な排便習慣をいかに身に付けるかにあります。自然な便意を催したときに排便しないと、やがて直腸が伸び便がたまります。直腸が太くのびてしまうと、便意を感じなくなり、ますます便がたまり硬くなります。こうして悪循環が起こります。便が出なくても便意ある時、また便意がなくても
1日1回はトイレに行く習慣をつけた方が良いでしょう。
3)薬剤療法
便を柔らかくする緩下剤・腸の運動を促す刺激性下剤等あります。快便が毎日のサーカディアンリズムに乗ることが目標になります。その後漸減します。
急な頭痛で、発熱があり、意識障害や嘔吐を伴なう場合、髄膜炎、脳炎等が考えられます。
反復性の頭痛には片頭痛(偏頭痛),筋緊張性頭痛、稀にモヤモヤ病、脳動静脈奇形、などがあります。
持続性の頭痛は心因性のもの、副鼻腔炎等があります。
時に注意が必要なものはマイコプラズマ肺炎です。
熱がなくても必ず胸部XPを撮ってもらいましょう。
また、副鼻腔炎、アトピー咳嗽(がいそう)などもよくあります。
乳幼児の簡易視力検査
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